- 住宅ローン控除について、わかりやすく解説してほしい!
- 住宅ローン控除を受ける条件を知りたい
- 住宅ローン控除ってどれくらいの節税になるの?
住宅ローン控除(減税)は、住宅ローンを組んだ人の税金が安くなる制度です。です。とてもお得な制度ですが、住宅ローン控除を受けるには条件があります。
購入した家の種類によって、控除できる期間や上限額が変わるので注意が必要です。
こちらの記事では、住宅ローン控除について、最低限おさえておくべき重要ポイントをわかりやすく解説します。 住宅ローンを組んだ後に「住宅ローン控除の対象外だった」「思ったより税金が安くならない」とならないようにチェックしてください。
ハウスメーカーの営業や、住宅ローンの窓口を担当していました。お客様に合わせた多くの金融機関比較や、住宅ローンの審査窓口(数千件)を経験済。仕事の経験や自身の家づくりを通して、日々ブログ発信しています。貸金業務取扱主任者
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンで家を買った時、年末に払った税金の一部が戻ってくる制度です。
正式名称 | 住宅借入金等特別控除 |
借入の上限額 | 2,000万円~5,000万円 |
控除期間 | 10年または13年 |
控除率 | 0.7% |
制度の期限 | 2025年12月31日まで |
住宅ローン控除を受けるための条件6つ
住宅ローン控除を受けるには、以下の6つの条件をすべて満たす必要があります。
住宅ローン控除の条件
- 自分が住むための家を買う
- 家を買ってから6ヶ月以内に入居し、引き続き住んでいる
- 家の床面積が50㎡以上
- 床面積の2分の1以上が居住用
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満で受けるには1,000万円以下)
- 10年以上の住宅ローンを組む
自分が住むための家を買う
住宅ローン控除を受ける本人が住んでいることが条件です。別荘やセカンドハウス、賃貸用の物件には使えません。
家を買ってから6ヶ月以内に入居し、引き続き住んでいる
家を買ったあと6ヶ月以内に住みはじめ、控除を受けたい年の12月31日まで住み続けないといけません。
家の床面積が50㎡以上
床面積が50㎡以上の家が対象です。 50㎡は、間取りでいうと、2LDKが多いです。
ただし、合計所得金額が1,000万円以下であれば、40㎡以上50㎡未満の家も対象となります。40㎡に多い間取りは、1LDKか2LDKです。
控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下
住宅ローン控除には、合計所得金額が2,000万円以下という制限があります。前項でも述べましたが、40㎡以上50㎡未満の家で申請する場合は1,000万円以下でないといけません。
床面積の2分の1以上が居住用
自宅をお店としても使いたい方は注意が必要です。 床面積の2分の1以上が居住部分でないと、住宅ローン控除が認められません。
10年以上の住宅ローンを組む
住宅ローンの返済期間が10年以上ないと受けられません。住宅ローンの申し込み時点で10年以上であることはもちろん、途中で10年未満になっても受けられなくなります。
建物の性能がいいほど控除額が高い
住宅ローン控除は家の種類によって控除できる上限額が変わります。4段階に分かれるのですが、環境にやさしい家ほど好条件です。
住宅の種類 | 借入限度額 | 控除期間 | ||
子育て世帯・若者夫婦の世帯 | 一般の世帯 | |||
新築 | 長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 | 13年 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | ||
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | ||
その他の住宅(※) | 0円 | 0円 | ||
中古 | 長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,000万円 | 3,000万円 | 10年 |
ZEH水準省エネ住宅 | ||||
省エネ基準適合住宅 | ||||
その他の住宅 | 2,000万円 | 2,000万円 |
※2023年12月31日までに建築確認を受け、2024年6月30日までに建物が完成していれば、2,000万円(控除期間は10年)。
上の表のとおり、新築の場合、環境に配慮した省エネ住宅だけが住宅ローン控除の対象となります。 また、子育て世帯(※)と若者夫婦の世帯(※)は優遇されています。
※子育て世帯…19歳未満の子どもがいる世帯/※若者夫婦の世帯…夫婦のどちらかが40歳未満の世帯
確定申告を忘れずに
住宅ローン控除は確定申告をしないと利用できません。住宅ローンを組んだら、1年目に税務署に必要書類を提出しましょう。
会社員の方の場合、1年目と2年目以降で手続き方法が違います。確定申告するのは1年目のみで、2年目からは会社の年末調整で申請できます。
2年目以降は、会社の年末調整のときに必要書類を提出するだけです。
個人事業主(自営業)の方は、毎年の確定申告で、住宅ローン控除の申請をする必要があります。
夫婦ふたり分の住宅ローン控除を受けるには
夫婦ふたりで住宅ローンを借りる方法が3つあります。
- ペアローン
- 連帯債務
- 連帯保証
ペアローンと連帯債務の場合は、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。
しかし、ペアローンの場合は住宅ローンの諸費用が夫婦それぞれにかかります。諸費用は、借りた金額や金融機関によって違いますが、一人あたり数十万円かかるため注意が必要です。
住宅ローン控除で減税される額と、住宅ローンの諸費用の金額をくらべ、どちらがお得かよく調べておきましょう。
注文住宅を建てるときの住宅ローン控除の注意点
注文住宅を建てるときに注意したいのは、土地だけ買っても住宅ローン控除は受けられない点です。土地を手に入れてから2年以内に家を建てないと、その土地は住宅ローン控除の対象になりません。
着工や工事期間が遅れて、引き渡しが数ヶ月も延期されることがあります。もし2年以内に建てられなかった場合、住宅ローン控除を受けられるのは家の部分だけです。
事前に家づくりのスケジュールをしっかり調べておきましょう。
住宅ローン控除でいくら節税できるのか
住宅ローン控除で具体的にいくら節税できるのか、簡単3ステップで知ることができます。
年末の住宅ローン残高が4,000万円とすると、4,000万円に控除率0.7%をかけます。
例) 4,000万円×0.7%=28万円
家の種類によって上限が変わる点には注意が必要です。
年末の住宅ローン残高が4,000万円だとしても、たとえば家の種類が「省エネ基準適合住宅」だとすると控除額が変わってきます。
省エネ基準適合住宅の上限は3,000万円なので、「3,000万円×0.7%=21万円」しか控除できません。
住宅ローン控除は所得税から控除されます。
所得税が住宅ローン控除の額より低い場合は、所得税だけで控除しきれなかった分が、住民税から控除されます。ただし、住民税から控除できるのは「9万7,500円」という上限がある点に注意です。
住宅ローン控除でもどってくるのは、STEP1とSTEP2のうち、金額が小さい方です。
年末の住宅ローン残高:4,000万円 /年収450万円の場合
STEP1
・家の種類:省エネ基準適合住宅(上限3,000万円)
→ 3,000万円×0.7%=21万円
STEP2
・所得税(目安):10万円
・住民税(目安):21万円(上限9万7,500円)
→ 10万円+9万7,500円=19万7,500円
STEP2の「19万7,500円」のほうが小さいため、住宅ローン控除で節税できる金額は19万7,500円となります。
住宅ローン控除の基本まとめ
住宅ローン控除は、マイホームを買うときに、所得税や住民税から税金を引いてくれる制度です。 詳細の制度は、国税庁のHPをご覧ください。
あらかじめ制度を受けるための条件や制度の特徴を調べて、お得にマイホームを手に入れましょう。